vol.10 英語の全体像
「英語の全体像」がないがしろになっています。
英語の全体像というのは、例えば「英語に文法はどのくらいあって、日常会話をするためにはどのくらいまで理解しているべきなのか」というようなこと。
上記の話で言えば、英語で日常会話をするだけなら、中学文法 + αを身につければ十分だと思います。それ以上に必要になるのは、単語と発音の力なのですが、「日常会話ができるようになりたい」という目標を持ちながら、文法ばかり勉強している人は少なくありません。既に必要なレベルはクリアしているのに、です。
英語コーチにはこの、英語の全体像を教える責任があります。
それは、自立して英語を勉強していく力をつけてもらうため。英語の全体像が把握できていれば、自分に足りない力が分かって、勉強すべきポイントも分かります。
業界は、英語の全体像をうまく隠してきました。
それは月謝を払い続けて毎週通う英会話教室のこと。「習いごと」は2年3年、続けて通ってもらうものです。
そこでは、英語というものを空港だとか、仕事だとか、場面ごとに切り取っては、フレーズばかりを繰り返している。それは、英語の世界で言えばほんの一部だと思います。けれども繰り返す。
つまり、カリキュラムを引き延ばして、長く使えるようにしているわけですが、もし英語の全体像が見える生徒さんがいたら、全然勉強が進んでいないことがわかってしまうでしょう。
地図を描くように、今、英語の世界のどこまでを達成できたのか、きちんと見せてあげることが大切です。コーチの仕事は、英語の地図を見せること。加えて、一人では達成しづらいリスニングだとか文法だとか、そういう部分のフォローをしてあげて、生徒が自立できるようにすることです。
ずっと通ってもらうために、英語の全体像を教えないなんてことは、すべきではありません。
通う時間が長くなってしまったら、それはコーチの実力不足。そのくらいの気持ちで、コーチングするべきだと思います。