単語学習と英語の勉強は、切っても切り離せないものです。
知っている英単語が多いほど、理解できる会話が多くなり、英語で話せることも広がります。
一方で、「単語が大切なのは分かっているけど、英語を覚えられない」と感じている人もいるでしょう。
英単語がなかなか覚えられない。
覚えた単語をすぐに忘れてしまう。
そもそも勉強が続かない!
かくいう私も、英単語の勉強は大の苦手です。これまでに十何冊もの単語帳を買っては、最後まで読まずに本棚に眠らせてきました。
この記事は、私が英語コーチとして200名以上の学習者に関わってきた経験をもとに、効果的な英単語の覚え方をまとめたものです。
英単語を学ぶ目的は人によって様々ありますが、効果を上げるためには、目的に合わせて勉強方法を変えることが重要です。
・試験で合格したい
→ テストのための覚え方
・話せるようになりたい
→ 会話のための覚え方
・聞こえるようになりたい
→ リスニングのための覚え方
私の専門は「実践で使える英語」ですので、特に「スピーキングとリスニングで使える英単語の増やし方」について、詳細に解説しています。
これまでの学習方法で上手くいかないと感じていた方、「どうせ勉強するなら、使える単語を覚えたい」と思っている方、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
あなたは、「単語をいくつ覚えるべきか?」を確認しないまま、勉強を始めていませんか?
学習の目的が違えば、それに伴って覚えるべき単語数も変わります。
ゴールが見えない学習はモチベーションが保てず、勉強を挫折する原因になります。
やみくもに単語学習を始めるのではなく、自分が覚えるべき単語数を把握してからスタートを切りましょう!
単語数 | |
---|---|
小学校 | 600 ~ 700 |
中学校 | 1,600 ~ 1,800 |
高校 | 1,800 ~ 2,500 |
難関大学 | 6,000 ~ 7,000 |
TOEIC 800点 | 7,000 ~ 8,000 |
ドラマ・映画 | 8,000 ~ 13,000 |
日常会話 |
3,000 (熟語を含めると約4,000) |
「自分がどのくらい単語を覚えているのか確認したい」という場合は、こちらの英単語テストをやってみてください。(1分でできる単語テストです)
関連記事:
【英単語レベル判定】診断テスト
2020年から施行された学習指導要領において、学校で習う単語の数が増えました。
現在の学生が授業で習う単語数は、以下のとおりです。
小学校:600 ~ 700語
中学校:1,600 ~ 1,800語
高校:1,800 ~ 2,500語
12年間 合計:4,000 ~ 5,000語
(単語 + 熟語を含みます)
出典: 高等学校学習指導要領 英語編
2020年までの指導要領では、高校までに学ぶ単語数は 2,900語 で良いとされていました。
今の学生が最大5,000語を学んでいるのと比較すると、今20歳以上の方が学んできた単語数は半分ほどです。それだけ、英語学習が重要視されているということです。
英語の日常会話は「80% ~ 90% が 3,000単語で構成されている」というデータがあります。
そのため、3,000の単語が使いこなせれば、日常会話のほとんどの場面で通用するでしょう。
「どの3,000単語を学ぶべきか?」については、オックスフォード大学出版局が公開している Oxford 3000 という単語リストがあります。
参考: Oxford 3000
英語学習者が学ぶべき 3,000の単語リスト。
リストの作成にあたっては、膨大な量のコーパス(会話や書き言葉のデータ)を基に、言語の専門家とともに研究と開発を行っています。
※中上級者のための「Oxford 5000」も用意されています
学生時代に単語学習を頑張っていれば、「すでに3,000以上の単語を覚えている」という人もいるでしょう。
実際は、単語を知っていても英会話ができない日本人がたくさんいます。
なぜでしょうか?以下の理由が考えられます。
・3,000単語の発音を知らないので聞き取れない
・3,000単語を覚えただけで使えない
これらの原因に思い当たるところがあれば、英単語を「聞こえるようにする」もしくは「使えるようにする」練習を積みましょう。
詳しいやり方は「会話のための覚え方」で解説しています。
Oxford 3000を効率よく覚えるために、単語をレベル別に分類し、自分に合わせた難易度で学べる単語帳アプリです。
3,000単語を学ぶことで、これまで理解できなかった英語がどんどん理解できるようになります。ぜひお試しください。
映画・ドラマを楽しみながら見るために必要な単語数は 8,000 ~ 13,000語です。
単語数に幅があるのは、見る映画のジャンルによって使われる単語が大きく異なるからです。
「プラダを着た悪魔」「シザーハンズ」など、日常を描いた映画は8,000語ほどの知識で良いでしょう。
一方で、「シャーロック・ホームズ」などの推理ドラマ、「ゼロ・ダーク・サーティ」などの戦争映画では、専門用語が多く含まれて難易度が上がります。
(上記の数字は熟語を含みます)
「単語はたくさん覚えたけれど、英語が話せない」と感じたことはありませんか?
あなたが覚えている英単語は、「使える単語」と「聞けば分かる単語」に分類することができます。
従来のテスト勉強 (単語帳1冊を10周回す・暗記カードを作って何度も繰り返す etc) で覚えた単語は、ほとんどが「聞けば分かる単語」です。
テストで高得点を取るだけなら、「聞けば分かる単語」を増やせば問題ないでしょう。しかし、英語を話したいのであれば、「使える単語」を増やす必要があります。
・「書き言葉」か「話し言葉」か分からない
・似た単語に置き換えられない
・その単語が使われている場面を、単語帳でしか見たことがない
「使える単語」を増やすためには、単語を学ぶ際に、以下の情報を一緒にインプットすることが大切です。
・類義語を知っている
・1つの単語の複数の意味を知っている
・「書き言葉」か「話し言葉」か知っている
・一緒に使われることが多い単語の組み合わせを知っている
(共起語・コロケーションと呼ばれています)
つまり、「単語を表面的ではなく、深く理解する」ということです。
これらの情報は、英英辞書に載っています。普段から英英辞書に慣れておくことをおすすめします。
一般的な英日辞書は、「単語・意味・例文」をメインで載せていることがほとんどです。
これだけの情報では、単語を表面的にしか理解できず、会話で使うには不十分です。
英英辞書Longmanの画面を見比べてみます。
上記に加えて「共起語・類義語・話し/書き言葉」の情報が載っています。
(右にスクロールしてください)
すべての単語に、イラストが載っている単語帳アプリです。単語を使う場面をイメージしながら学習することができます。
単語数も豊富で、TOEIC・TOEFL・英検・大学受験・基礎単語など、様々な試験にも対応しています。
(右にスクロールしてください)
「単語をつなげて学ぶ」をコンセプトにした単語帳アプリです。
英語を話すために必要な、以下の情報をセットで学べるようになっています。
・類義語とその使い分け
・使う場面をイメージしやすい例文
・単語のフォーマル度
また、収録単語は Oxford 3000 / 5000 に準拠しているため、会話で使う単語のみを効率良く学ぶことが可能です。
英単語は、前後の単語とつながって発音されます。
そのため、単語を1つ1つ覚えるやり方はリスニング対策には向きません。
リスニングできる単語を増やしたいときは、「文章で学べる単語帳」を使いましょう。
弊社のスクールでも利用しているリスニング用の単語帳です。
シリーズ発売されているので、自分のレベルに合わせたものを選べます。
マウスを当てた英単語を、瞬時に検索・保存ができる辞書ツールです。
YouTubeの字幕にも対応しているため、実践的な英語でリスニング + 単語学習をしたい人におすすめです。
「いろんな勉強方法を試しているけれど、なかなか単語が覚えられない」という人は、以下のポイントをチェックしてみてください。
① 分かりにくい例文で学習している
② 発音を確認していない
③ 勉強と勉強の間が空いている
どれか1つでも当てはまる場合は、勉強方法を改善する余地があります。
以下、各項目を解説していきます。
分かりやすい例文で学ぶと、使う場面をイメージでき、単語が記憶に定着しやすくなります。
イメージしづらい例文:
イメージしやすい例文:
単語を覚える際は、発音をセットで確認するようにしましょう。
単語を覚えるだけであれば、カタカナ発音でも問題ありません。
(リスニングをしたい場合は、正しい発音である必要があります)
昔は紙の単語帳しかなかったため、「発音記号を確認して、正しい発音を覚えましょう」というアドバイスが広まっていました。
しかし、発音記号を見て、すぐに発音をイメージするのは簡単ではありません。間違えて読んでしまうこともあるでしょう。
現代は、単語帳アプリなどを使えば、その場ですぐに発音を聞くことができます。
難しい発音記号を読むよりも、実際の発音をパッと確認するほうがずっと効率よく、間違えずに学ぶことができます。
人の記憶力には、「短期記憶」と「長期記憶」の2種類があるとされています。(「記憶の多重貯蔵モデル」- アトキンソンとシフリン)
「短期記憶」というのは文字通り、すぐに忘れてしまう記憶です。
人が覚えようとするものは、すべて一度、「短期記憶」に入れられます。
そして、何度も経験するなどして、脳が「この情報は重要だ!」と判断した内容は、「長期記憶」に移動されるようになっています。
「長期記憶」に入った内容はなかなか忘れません。単語を効率よく覚えていくためには、覚えた単語を「長期記憶」に移動させることが重要になります。
単語を長期記憶として定着させるためには、その単語を短い期間に何度も見聞きすることが効果的です。 人により個人差はありますが、「1週間に10回」を目安にその単語を見たり聞いたりするのが良いでしょう。
その他、単語が覚えられない人の特徴をこちらの記事にまとめました。
ここまでに紹介した、英単語の効果的な覚え方をまとめます。
覚えた単語を会話で使えるようにするためには、以下のポイントを意識しましょう。
聞き取れる英単語を増やすには、こちらのポイントが重要です。
私の経験上、英単語の覚えやすさは「やり方」よりも「教材」に左右されることが多いです。
いろんな方法を試しても上手くいかなかった人が、教材を変えただけで英単語が覚えられるようになった事例をいくつも見てきました。
単語帳を変えるのはお金もかかることです。
しかし、効果のない単語帳を使い続ければ、あなたの貴重な時間が無駄になってしまいます。
ネット上の評判を鵜呑みにせず、自分に合った単語帳を探してみてください。
「一人では勉強が続かない」と感じる方は、英語コーチングの受講も検討してみてください。