「シャドーイング」で英語が聞こえるようになるまでの手順【まとめ】

更新日:2022/11/2
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「シャドーイング」という学習方法をご存知ですか?
シャドーイングは、英語のリスニング力を伸ばすのにとても有効な勉強法です。

弊社の英語スクールでもシャドーイングを取り入れた指導を行っていますが、多くの方が英語をクリアに聞き取れるようになり、早いスピードの英語にもついていけるようになっています。

しかし、
「シャドーイングをやってみたけれど、正しいやり方が分からなかった」
「英語が早すぎてついていけなかった」

といった声も聞こえてきます。

シャドーイングは正しいやり方と教材で行わなければ、期待した効果が出ないこともあります。

そこで今回は、教材の選び方から学習方法まで、弊社の英語スクールでお伝えしているシャドーイング学習の方法を1つの記事にまとめました。
英語を聞き取れるようにしたい人、シャドーイングに取り組んでみたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

竹内智則

竹内 智則

2016年から英語コーチングを開始し、これまで200名以上の方に英語の指導を行っています。
コーチングで使用するための英語学習アプリを制作。「こんな英語教育が欲しかった!」を実現しています。
著書: ぼくらの瞬間英作文
アプリ:ぼくらの瞬間英作文 つながる英単語

シャドーイングとは?

リスニングしながら、自分も口に出して言う練習法

「シャドーイング = shadowing」は、リスニングの勉強方法の1つです。

通常のリスニングは、言ってしまえば「ただ英語を聞くだけ」ですが、シャドーイングでは、聞こえた英語の後を影になったようにぴたりと追いかけて、自分も発音を行います。



シャドーイング学習は、発音をしないといけない分、通常のリスニングよりも難易度が高くなります。
ぴたりと後ろを追いかけることで、英語を高速で理解する力が身についたり、聞こえていない音を的確に見つけ出すことが可能です。

似た勉強法「ディクテーション」との違い

シャドーイングと似た勉強法に「ディクテーション」があります。

ディクテーションは、聞こえた英語をノートなどに書き取っていく学習方法です。
一通り聞き終えたあと、書き取ったノートと答えを照らし合わせることで、自分がどこの部分を聞き取れていなかったのかを確認することができます。



ディクテーションは、英語を聞いている間はリスニングに集中できるため、英語を聞き取りやすいメリットがあります。
しかし、何度も再生を繰り返すため、学習時間が長くなってしまう傾向があります。

ディクテーションも通常のリスニング学習の代わりに取り入れられることが多い学習方法です。
比較すると、以下のような違いがあります。目的に合った方法を選びましょう。

シャドーイングとディクテーションの比較

シャドーイング ディクテーション
聞こえない発音を
見つけられる
英語の処理スピードアップ
何度も聞き直すので効果薄
学習時間・効率
聞き直しに時間かかる
慣れは必要ですが、シャドーイングの方が学習時間と効果のバランスが良いのでおすすめです。
竹内智則

リスニングの勉強法は、他にもいくつかの種類があります。特徴や選び方をこちらの記事で比較したので、合わせて参考にしてみてください。
関連記事:英語リスニング | 7つの勉強法をまとめて比較!【英語コーチが解説】

シャドーイングの効果

聞こえていない発音を見つけられる

初心者がリスニングの練習をすると、「どの単語が聞こえていないのか、そもそも分からない」ことがあります。

学習くん
確かに、全体を「ぼや〜」っと聞いてしまって、どの発音が聞こえていないかなんて意識しないまま、いつの間にか置いてかれてしまっているわ。

この状態を解決するのに、シャドーイングが適しています。

シャドーイングを行うと、1つの文章の中でも「言えない」と感じる単語がいくつか出てくるはずです。
このとき、「言えない単語 = 聞こえていない単語」であることが非常に多くなっています。

特にリスニング初心者は、99%「言えない単語 = 聞こえていない単語」と思っていただいて大丈夫です。
竹内智則

聞こえていない単語を見つけられれば、その単語を何度か再生して発音を理解して、次から聞こえるように克服することができます。

シャドーイングを継続して、これまで聞こえていなかった単語を10個、20個と見つけ出していけば、あなたのリスニング力はぐんぐん伸びていきます。

学習に慣れてくれば、シャドーイングをしなくても自分の聞こえていない発音を見つけられるようになります。
シャドーイングはゴールではなく、「聞こえていない単語を見つける習慣づけ」と捉えてもよいでしょう。
竹内智則

英語の処理スピードが上がる

シャドーイングの効果

シャドーイングで、聞こえた英語を自分も発音していくことで、「英語を処理するスピード」が向上します。 この効果は、自分が発音している英語の意味をイメージし、使われている文法や文型を追いかけながら行うことができると更に高まります。

リスニングが上手くできない原因はいくつかありますが、「単語も知っているし、発音も聞こえているのに会話が理解できない」と感じる場合には、処理スピードを鍛えることで改善できるケースが多いです。

シャドーイングを行って、英語の処理スピードを鍛えていきましょう。

通常のリスニングよりも集中して学習できる

人は、「理解できない話」を聞き続けると眠くなってしまいます。

リスニング学習も同様で、「聞こえない英語」や「理解できない英語」を、何もせずに聞いているだけというのは非常に辛く、集中力を欠いてしまう人も多いでしょう。

学習くん
そうそう、「分からないな〜」って思っているうちに、ウトウトしてきちゃうのよね。

シャドーイングで、聞こえた英語を自分も発音しながら学習することで、良い緊張感を保って学習がしやすくなります。
言えるか言えないか。ある種ゲームに挑戦している気持ちでシャドーイングに取り組みましょう。

教材選び

シャドーイングの教材

リスニング教材ならどれでもok

シャドーイングは、英語リスニング用の教材であればどんなものでも行うことが可能です。

シャドーイング教材の例

・リスニングの参考書
・TOEICなどのテスト問題
・英語の映画・ドラマ
・英語のYouTube

80%聞こえる教材を選ぶのがコツ

シャドーイング学習は、はじめから難しい教材で行うことはおすすめしません。
英語のドラマや映画などの高難易度の教材には、知らない単語や文法が多く含まれます。

映画シャドーイングは高難易度 ↑ 読んでも分からない英語が出てきたら、教材が難しすぎるということ。(画像は "The Intern" より引用)

難しい教材でシャドーイングを行うと、英語の意味や発音を調べるだけで多くの時間がかかってしまい、シャドーイングの学習になかなかたどり着けません。(英語の意味が分からないままシャドーイングを行っても、効果はありません)

シャドーイング学習は、1回目に聞いたときに80%くらい理解できる教材で行うのがちょうどよい難しさです。

シャドーイングは「英語を聞く + 発音する」という2つのことを同時に行うため、はじめは戸惑う人も多いです。
シャドーイングという学習方法に慣れるという目的でも、ゆっくりな英語から取り組むのがおすすめです。
竹内智則

おすすめのシャドーイング教材

『速読速聴・英単語 Basic 2400』

速読速聴・英単語 Basic 2400

弊社の英語コーチングでも使用しているシャドーイング教材です。

中学校レベルの非常にゆっくりな英語から始まって、チャプタが進むにつれて徐々にスピードアップしていく構成になっています。

『速読速聴・英単語 Basic 2400』のサンプル音源

4. At the Doctor's Office
再生
速読速聴・英単語 Basic 2400

「世界の英語」リスニング

「世界の英語」リスニング

ケニア、フランス、インドネシアなど、英語が母国語ではない人が、英語で話したインタビューが収録された教材です。

ネイティブの英語でない分、会話のスピードがゆっくりで、初心者にも丁度よい速度の英語を聞くことができます。

『「世界の英語」リスニング』のサンプル音源

Q最近はまっていることは?
再生
「世界の英語」リスニング

ここでは紹介しきれないおすすめシャドーイング教材について、以下の記事で解説しています。
関連記事:【レベル別】シャドーイングのおすすめ教材14選。自分に合った教材を見つけよう!

シャドーイングのやり方

ここからは、実際のシャドーイングのやり方を解説します。
弊社が英語コーチングで実際に指導している方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

① 一度聞いて、内容確認



対象の音声を一度聞きます。(英文は見ません)
その際に、以下のことを確認しましょう。

・文章のおおよその内容
・聞こえなかった単語の数と位置

聞き終わったら音声を止めて、分からなかった単語の意味と発音をチェックしましょう。

ここは1回聞くだけで十分です。(後のシャドーイングに時間を使いたいので)
また、慣れてきたらここは飛ばして、いきなり②のシャドーイングからスタートするようにしましょう。
竹内智則

② 音声を追いかける(シャドーイング)



シャドーイング本番です。
音声を聞いて、後に続いて発音していきます。

「言えない単語」を見つけたら、つまりそれは「聞こえていない単語」です。一度再生を止めて、「③発音確認」に進みましょう。

「聞こえない単語」を残しておくと、その単語はずっと聞こえないままになります。最後まで再生せずに、都度止めて発音を確認する習慣をつけましょう。
竹内智則

③ 聞こえなかった部分の発音確認

「聞こえない単語」の発音を確認します。
一度聞いただけでは分からないことがあるため、そこの部分だけを5回ほど繰り返して聞くのがおすすめです。

このときに、発音しない文字があったり、前後の単語とくっついて違う音に聞こえることがあるので注意しましょう。

日本語は書いてある文字をそのまま読めばよいですが、英語は発音の変化が当たり前のように起こります。
英語発音の変化は「リエゾン」「リンキング」と呼ばれています。(リンキングについて詳細)

発音の確認が終わったら、「②シャドーイング」に戻って、②と③を繰り返します。

④ 仕上げのシャドーイング



すべての発音確認が終わったら、アタマに戻って仕上げのシャドーイングを行います。

聞こえない発音の確認がしっかりできていれば、すらすらとシャドーイングできるようになっているはずです。

ここまでの① ~ ④までの流れを、教材の長さにもよりますが、目安としては5分 ~ 10分で完了できると良いでしょう。

シャドーイングは様々なやり方がある

ここまで、弊社の英語コーチングで指導しているシャドーイングの方法をお伝えしてきましたが、英語スクールによって異なるやり方を指導しているところもあります。

別のやり方の例:
・1つの教材に1時間 ~ 5時間ほど時間をかける
・音声を流しながら英語を音読する

同じシャドーイング学習と言っても、このようにやり方が違うのは、シャドーイング学習のゴールが異なっているためです。

1つの教材に時間をかけて取り組むやり方のゴールは、「英語の発音を身につけて、スピーキング力を伸ばすため」です。

一方で、弊社のように短時間でシャドーイングを行うやり方のゴールは、「英語を処理するスピードを鍛えて、リスニング力を伸ばすため」です。

一長一短がありますが、どちらかが悪いというものではありません。
自分の目標にあったやり方を選択してください。

シャドーイング上達のコツ

できないときは、日本語でやってみる。

「シャドーイングが全くできない!」と感じる人は、NHKのニュースなどを使って、一度日本語でシャドーイングをやってみましょう。

日本語でのシャドーイングは、日本人であれば、ほぼ100%の人が一発でできるはずです。

↓試しにやってみましょう。


いかがだったでしょうか?
この感覚が、シャドーイングを英語で行うときのゴールとなります。

シャドーイングを行うには、以下の能力が必要となります。
・発音への慣れ
・単語の知識
・内容を理解する処理スピード

シャドーイングが日本語でできて、英語だとできなくなってしまう理由は、上記の能力のどれかが足りていないからです。
知らない単語があったのか、聞こえない発音があったのかなど、シャドーイングができなかった原因を見つけて、克服していきましょう。

英語の発音を学ぶと、シャドーイングも上手くいく

シャドーイングが上手くできないときには、英語の発音を学ぶと上手くいくことがあります。
特に、「リンキング」と呼ばれる、英語の音の繋がりを学ぶのが効果的です。

発音のリンキングの例

some of the →「サマダ」
at the zoo →「アッダズー」 など
(便宜上、カタカナにして表しています)

英語のリンキングは魔法のリスニングなどの書籍や、以下のようなYouTubeチャンネルでも学ぶことができます。

「あいうえおフォニックス」より

ついていけない時は、一時停止しながらシャドーイングしてもOK

「英語のスピードが早すぎてついていけない!」という場合には、遅れてしまったときに一時停止するのも一つの方法です。



この方法は、特に「聞こえているけれど、口が遅れてしまう」という課題の人におすすめの方法です。

シャドーイングが遅れたときに、全部やめにしてしまうと成長はありませんが、止めながらでも学習を続けることで、徐々に英語のスピードに対応できるようになっていきます。

英語が聞こえているのであれば、シャドーイングの半分はクリアしています。あとは処理のスピードを上げて、英語に食らいついていくのみです!
竹内智則

何度も繰り返して覚えるのはやめよう。

シャドーイングが上手くできないからといって、何度も何度も、その文章を覚えるほどに繰り返して練習をするのはやめましょう。

確かに繰り返し練習を行えば、結果的にシャドーイングができるようになるかもしれませんが、それは、英語が聞こえるようになったのではなく、覚えているから言えているだけに過ぎません。

10回、20回とチャレンジしてできなければ、やり方が間違っていたり、教材があなたに合っていない可能性もあります。教材の変更も検討してみてください。
竹内智則

シャドーイングの指導を受けるなら「英語コーチング」

ぼくらの英語コーチング

シャドーイングを何度やっても上手くできない方は、英語コーチングの受講も検討してみてください。

シャドーイングや発音の改善点を的確に指摘し、英語が聞こえるようになるまでサポートしてもらえます。

まとめ

ここまで、シャドーイングのやり方や教材について解説してきました。

シャドーイングを行うときは、以下のことを意識するのが上達のコツです。

・80%聞こえる教材を選ぶ
・聞こえない単語をそのまま放置しない
・聞こえない単語を見つけたら、発音がどう変化しているかを調べる
・答えの英語は覚えない

一度シャドーイングができるようになると、英語をクリアに聞き取る感覚も分かるようになるので、その先のリスニング学習も効果的に進められるようになります。がんばりましょう!


記事を読んで、「自分には難しそう」と感じた方は、ぼくらの英語コーチングの受講もご検討ください。シャドーイング、英語の発音変化など、英語が聞こえるようになるまでを総合的にサポートしています。

シャドーイング教材の選び方については、以下の記事で解説しています。合わせて参考にしてみてください。
関連記事:【レベル別】シャドーイングのおすすめ教材14選。自分に合った教材を見つけよう!

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プロフィール

竹内智則

竹内 智則

Urban Meetup Tokyo 代表。
2016年から英語コーチングを開始し、これまで200名以上の方に英語の指導を行っています。
コーチングで使用するための英語学習アプリも制作。「こんな英語教育が欲しかった!」を実現しています。

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