今回は、19のシャドーイング教材を、レベル別に紹介した記事です。
弊社の英語スクールでもシャドーイング学習を取り入れていますが、実施する際には必ず受講生のリスニング力をチェックし、それぞれのレベルに合ったものを選ぶようにしています。
シャドーイングは、学習者のレベルに合った教材で行うことが最も重要で、難しすぎる教材で行うと効果が全く出ないこともあります。
各教材には、「サンプルの音源」も付けています。試しに聞いてみて、あなたにぴったりの教材を見つけてください。
初級者向け教材の学習目安は TOEIC 300 ~ 600点程度です。
中学校レベルの非常にゆっくりな英語から始まって、チャプターが進むにつれて徐々にスピードアップしていきます。
前半のゆっくりなチャプターは、シャドーイングがはじめての方でもぴったり。後半のチャプターは中級者でも歯ごたえのある内容となっていて、幅広い人におすすめできる一冊です。
弊社の英語コーチングで使用しているアプリです。
「英語の音声変化」を300以上のフレーズで学ぶことができるようになっています。
英語は、音が消える・繋がって別の音に聞こえるのが当たり前の言語です。音声変化を学んでから別のシャドーイング教材にチャレンジするのも効果的な学習になるでしょう。
短い英語・スピードもゆっくりで、初心者でもやりやすい教材です。
長い英語のリスニング練習ができないため、この教材が完了したら、他の教材に進んでいけると良いでしょう。
ケニア、フランス、インドネシアなど、英語が母国語ではない人が、英語で話したインタビューが収録された教材です。
ネイティブの英語でない分、会話のスピードがゆっくりで、初心者にも丁度よい速度の英語を聞くことができます。
「単語帳 + リスニング」を同時に行える書籍です。
文章の中に覚えたいキーワードが散りばめられているので、リスニングをしながら英単語の学習もできます。
書き言葉的な文章が多いのがマイナスポイントです。全体的に文章が長いため、リスニングの持久力を付けたい方に適しています。
同じ文章を3段階の難易度でシャドーイングする書籍です。
1・2段階目は、センテンスシャドーイング。1分1文の間を空けながらのシャドーイングになるため、初心者でも行いやすいでしょう。
3段階目は、ノンストップでのシャドーイングになります。ナチュラルスピードの音声になり、難易度が高くなります。追いつくことができれば、リスニング力アップに繋がるでしょう。
「瞬間英作文トレーニング」の著者、森沢洋介氏が出版しているシャドーイング教材です。
一冊を通してスピードが変わらないため、シャドーイングの全くの初心者には難しいと感じるでしょう。
これまでに紹介した教材を1~2冊終えたあとで取り組むのに丁度いい教材です。
中級者向けのシャドーイング教材を紹介します。
学習レベルの目安は、TOEIC700点程度です。
冒頭に紹介した「Basic 2400」の続編となる書籍です。
このシリーズの共通した特徴ですが、収録されている単語数が他の教材よりも圧倒的に多くなっています。
(「Daily1500」は1500単語、「Basic2400」は2400単語)
そのため、単語を覚えながらシャドーイング学習をするのに適しています。
リスニングと単語帳を同時に取り組める「速読英単語」の続編です。
全体的に難しい単語が多くなり、一度で聞き取るのは厳しいでしょう。
何度も聞き返しながらシャドーイングをし、単語も同時に習得したい方におすすめです。
アメリカの大学教授リサ・ヴォート氏が書いた本で、よく使う英語の発音の変化を学ぶことができる本です。
got it →「ガリッ」
What if →「ワリフ」
など、よく使う英語ばかりが掲載されており、英語の発音変化を苦手と感じている人におすすめです。
1つ前に紹介した「魔法のリスニング」の続編となる本です。
「魔法のリスニング」と比較して、単語1つ1つの発音の変化について詳細に取り上げています。
「魔法のリスニング」を読み終わって、「もっと発音変化を学びたい」と感じている方におすすめです。
「マンブリング」「シンクロ・リーディング」「プロソディ・シャドーイング」といった、様々なシャドーイングの手法を紹介している書籍です。
収録されている音声は難しいものが多くなっています。様々なシャドーイング技術を習得したい人におすすめです。
中級者向けの英語のYouTube番組です。全編英語で構成された会話を聞くことができます。(1話あたり15分程度)
英語のスピード、使われる単語ともに易しく作られているため、初心者 ~ 中級者におすすめ。海外のYouTubeを見る最初の一歩にもちょうど良いでしょう。
イギリスの公営放送「BBC」が、英語の学習者に向けて制作したシリーズ動画です。
1話 3 ~ 5分程度。全66話からなっており、主人公のAnnaちゃんが新社会人として活躍するストーリーを楽しみながら、職場で使われる実践的な英語を学ぶことができます。
ディズニー映画は難しい単語が少なく、一般向けの映画と比べると難易度は下がります。
しかし、会話のスピードは早いため、英語にしっかり食らいついていく処理スピードがないと、シャドーイングは難しいと感じるはずです。(今回紹介した「中級者向け」の中では最も難しい教材です)
学習の際はMovie Scriptsのようなサイトを利用して、映画の台本を確認しながらシャドーイングを行いましょう。
上級者向けのシャドーイング教材。学習の目安は、TOEIC900点程度です。
上級者向けの教材となると、英語圏の人たちが普段見聞きしている映画やテレビ番組などを聞いていくことになります。難易度は高いですが、参考書では身につかない「実践的な知識や経験」を学んでいきましょう。
海外のニュース局は多数ありますが、YouTubeで放送しているものは気軽に聞くことができておすすめです。
ABC News(アメリカ)
BCC News(イギリス)
NBC News(アメリカ)
DW News(ドイツ)
FRANCE 24 English(フランス)
「ABCニュースはアメリカ国内の報道が多い」「フランスのニュースは英語が比較的ゆっくり」など、局によっての特色もあります。聴き比べて、気に入った局の放送を追いかけるようにしましょう。
TEDは、英語のスピーチを聞くことができるウェブサイトです。
有名人や学者など様々な人が良質のスピーチを行っていて、全て無料で聞くことができます。
短いものでは3分、長いものだと1時間くらいのスピーチもあるため、まずは短いスピーチからリスニングするのがおすすめです。
公式サイトとYouTubeのどちらでも視聴可能です。
映画はジャンルによって難易度が大きく変わります。
歴史ものや政治ものは難しい単語が使われがちです。日常生活を描いた映画は難しい単語が少ないので、こちらから取り組むのをおすすめします。
Pursuit of Happiness
Extremely Loud & Incredibly Close
The Intern
また、視聴する際は英語の字幕を確認できる環境をつくりましょう。
英語字幕の確認には Netflix がおすすめです。(Amazon Prime などは、字幕が日本語に固定されているので注意)
Movie Scriptsのようなサイトを利用すると、映画の台本をすべて確認することができるので、こちらもおすすめです。
映画の英語を解説しているYouTubeチャンネルもあります。いきなり映画を観るのが難しい人にはこちらもおすすめです。
イギリスの公営放送「BBC」が制作しているYouTubeチャンネルです。
タイトルの通り、1回6分で様々なテーマの英語を聞くことができます。
6分で終わるので、毎日のシャドーイング学習のルーティーンのように取り入れるなど、継続学習にぴったりの教材です。
シャドーイング教材は、なるべく簡単ですぐに聞き取れるものを選ぶことをおすすめします。
具体的には、1回目に聞いたときに80% ~ 90%理解できるレベルのものがベストです。
英語のドラマや映画などでシャドーイングを行う人もいますが、このやり方は初心者にはおすすめしません。
ドラマや映画のような「高難易度の教材」には、これまで聞いたことがないような単語や文法が多く含まれています。
↑ 読んでも理解できない英語が出てきたら、教材が難しすぎるサイン。(画像は "The Intern" より引用)字幕を読んでも意味が分からない英語は、そもそも聞こえるはずがありません。
シャドーイングを進めるためには、知らない単語が出てくるたびに意味を調べることになりますが、これを高難易度の教材で行うと膨大な時間がかかってしまいます。
・単語、熟語、文法を調べるために何度もストップする必要あり
・聞こえない発音が多く、発音も調べる必要あり
・そもそも早すぎて、暗記しないとシャドーイングできない
シャドーイングを何度やっても上手くできない方は、英語コーチングの受講も検討してみてください。
シャドーイングや発音の改善点を的確に指摘し、英語が聞こえるようになるまでサポートしてもらえます。
ここまで、おすすめのシャドーイング教材を紹介してきました。
シャドーイングは「少し簡単すぎるかな?」と感じるくらいの教材で取り組むのが継続のコツです。
学習者のレベルに対して難しすぎる教材を選んでしまうと、スピードについていけなくて、学習を止めることにつながります。
この記事ではレベル別に教材を紹介しているので、シャドーイングを実践してみて「難しい」と感じた場合は、ひとつ難易度を下げて取り組んでみてください。
取り組むべき教材が見つかった方は、以下の記事でシャドーイングの具体的なやり方について解説をしています。ぜひ参考にしてみてください。
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