今回は、「瞬間英作文をやってみたけれど効果がない!」と感じている人に向けた記事です。
「瞬間英作文」は最近注目されている学習方法で、カリキュラムに取り入れる英語スクールが増えていたり、ネット上にも様々な使い方が紹介されています。
中には間違った勉強方法も含まれているため、正しい効果を得るためには、学習者がしっかりと情報を判断しなければいけません。
そこで今回は、瞬間英作文で効果が出ない人の5つの共通点を解説していきます。
「瞬間英作文をやっても効果がない」と感じている方は、ここで取り上げる項目をチェックしてみてください。
自分では気づけなかった「学習のムダ」が発見できるかもしれません。
瞬間英作文は、2006年に発売された書籍『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』がヒットしたことで注目された学習方法です。
例えばこちらは「This / That」ページの例です。
中学校レベルの簡単な文章が並んでいます。
日本語を元に英語をつくる練習を繰り返すことで、英語を話す力を身につけよう、というものです。
「瞬間英作文は効果がない」という意見はどのようなものでしょうか? Amazon書籍レビューで最も上位に表示されるレビューを引用します。(2022年10月時点)
低評価の理由は主に2つ書かれています。
・英文が不自然で、実際は使わないものが載っている
・日本語から英語にすることに意味があるとは思えない
それでは、瞬間英作文の効果がない人の共通点を見ていきましょう。
主に、「使用している教材が原因のケース」と「やり方に問題があるケース」の2種類があります。
冒頭で紹介した『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』には、実際は使わない英語がいくつも掲載されています。
これについては、著者の森沢氏もコメントを残しています。
著者いわく、「学習のために、あえて教科書的な表現にしてある」とのこと。
理解できる面もありますが、「この英語は使わないだろうな」と感じながら学習しても、なかなか覚えられず、モチベーションが続かなくなってしまうケースが多いです。
この石はあの石より重い。
→ This stone is heavier than that one.
この猫はあの猫より年をとっていますか?
→ Is this cat older than that one?
当たり前の解決策ではありますが、自然な英文が掲載されている教材を使いましょう。
著者が有名な人かどうかを調べるだけでは不十分です。その教材をネイティブスピーカーがチェックしているかどうかを確認しましょう。
「有名な瞬間英作文の本を使わなくてもいいの?」と感じる方もいるかもしれません。今効果が出ている人は無理に止める必要はありません。
一つお伝えしておきたいことは、『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』は、2006年に発売された書籍で、内容もその頃から変わっていないということです。
現在までの間に様々な種類の瞬間英作文の教材が発売されています。「有名だから」という理由で、不自然な英語ばかり載っている教本を使いづつける価値があるでしょうか?
以下に、「自然な英語の瞬間英作文」を掲載します。
先ほどの英文と比べてみてください。
瞬間英作文トレーニングでは、1つの日本語に対して複数の英語が当てはまることがよくあります。
解説なしの教材には問題の答えも1つしか記載されていません。答えが1つしか載っていない教材を使うことで、そこに載っている答えが「たった一つの答え」だと、思い込んでしまいます。
彼らはとても幸せそうです。
→ They look very happy.
美しい庭のある素晴らしい家
→ a wonderful house which has a beautiful garden
こちらも当たり前の解決策となりますが、解説やコメントが付いている教材を選びましょう。
特に、1つ1つの答えに解説がついている教材が理想的です。
弊社から出している「ぼくらの瞬間英作文」は、自然な英文に加えて、各問題の解説も充実しています。ぜひご活用ください。
ここからは、学習方法が原因になっているケースを解説します。
何十時間もかけないと効果が出ないような学習方法は、そもそも間違っています。
経験がある方は分かると思いますが、「良い学習方法」というのは、始めて数時間で成長が実感できるものです。
20時間やって向上が感じられなければ、あと20時間やっても効果は変わりません。教材や学習方法を見直しましょう。
弊社のコーチングで成果が出ているやり方を、こちらの記事にまとめました。参考にしてみてください。
関連記事:「瞬間英作文」で英語が話せるまでの全手順まとめ【英語コーチが解説】
瞬間英作文と発音の練習を同時にやることは、実はあまり意味がありません。
初心者にとって、自分の発音の間違いに気づくのは簡単なことではありません。
瞬間英作文をやりながら、文法を考えて英文を作るだけでも一苦労なのに、それに加えて自分の発音チェックまで行うのは非常に難易度が高くなります。
瞬間英作文は「文法理解と英文を組み立てるトレーニング」だと割り切って、それ以上を求めないようにしましょう。
発音の学習は、それだけに集中したほうが結果に繋がります。
発音学習で最も効果的なのは、英語が話せる人に自分の発音を聞いてもらって矯正してもらうことです。
身近で発音指導をしてもらえるスクールを探しましょう。
それが難しければ、YouTube の発音動画を見て真似をするのも効果的です。
「文法を使い分ける力」は、瞬間英作文トレーニングにおいて最も身につけたい能力の一つです。
例を出して解説します。
「彼は週末に料理してくれます」
上記のような問題があったときに、あなたならどのような英語を答えますか?
答えを確認してみます。
今回は「毎週のように料理してくれる = 普段から料理している」ことを表すために、現在形を使います。 もしここが He is cooking ..になっていたら、「今料理している最中」という意味の文章になります。
文法の選択を間違えると、伝えたかった内容とは意味が変わってしまうことを理解しましょう。自分が伝えたいことをきちんと相手に伝えるためには、文法の使い分けが大切です。
・現在形は、「普段から何度も行っていること」を表します。
・進行形は、「今行っていること」を表します。
他の問題もやってみます。
どちらが「現在形」で、どちらが「進行形」でしょうか?
答えを確認します。
「友だちと旅行に行っている = 今まさに旅行中」を表すので「進行形」を使います。
一方で、「毎年1回旅行に行く = 普段から旅行に行く」ことを表すので「現在形」を使います。
このように、文法の使い分けを意識して学習することで、自分の伝えたい内容に合わせて、適切な文法を選ぶ力が身につきます。
これができるようになると、英語のニュアンスをコントロールしながら話すことができ、自信をもって英語を話せるようになっていきます。
多くの教本の問題点は、1ページに1つの文法しか扱われていないことです。
例えば、「現在進行形」のページには「現在進行形」しか使われていません。
このような環境では、「この文章は現在形がいいだろうか、進行形がいいだろうか?」と迷うこともなく、「進行形のページだから、進行形だけ使えばいいや」と考えてしまいます。
結果、「文法を選択する」という大切な力が育たなくなります。
この問題はやり方だけで改善するのは難しいため、「文法の使い分けが学べる教材」を選ぶのが、一番簡単な解決方法かと思います。
弊社からリリースしている「ぼくらの瞬間英作文」では、似ている文法を同時に出題して、文法を使い分ける力を伸ばせるようにしてあります。ぜひご利用ください。
弊社の英語コーチングでも使用しているスピーキングアプリ。
「文法を学ぶ → 英作文する」の2ステップで、話せる英語がどんどん増えていきます!
以上、「瞬間英作文トレーニング」の効果と正しいやり方について、気をつけるポイントを解説してきました。
瞬間英作文トレーニングで最も重要なことは「教材選び」です。
良い教材で学習するだけで、問題点の多くが解決することがあります。
教材を選ぶときには、以下のことを確認すると良いでしょう。
・自然な英語が使われている教材か?
・英文に対して解説が載っている教材か?
また、学習に取り組む際は、以下の点を意識しましょう。
・短期間で集中的に取り組む
・発音の練習はせず、英作文に集中する
・文法の使い分けを意識する
弊社の英語コーチングでも、瞬間英作文に取り組んだ結果、多くの人が自信を持って英語を話せるようになっています。
正しい教材とやり方で、みなさんも瞬間英作文の効果を実感してください。
下の記事では、具体的な学習方法について1つ1つ順番に解説しています。合わせて参考にしてみてください。
関連記事:「瞬間英作文」で英語が話せるまでの全手順まとめ【英語コーチが解説】