【英語コーチが解説】第二言語習得論を分かりやすく。

更新日:2025/3/12
【英語コーチが解説】第二言語習得論を分かりやすく。

現在、多くの英語コーチングスクールが、「第二言語習得論」をカリキュラムに取り入れています。
これは、「外国語をどのように習得するのが最も効率的か」を研究する学問です。

この記事では、第二言語習得論とは何かを分かりやすく解説します。
この理論を知ると、英語学習の最短ルートが分かるため、勉強の効率が何倍も良くなるでしょう。

「今の学習方法、本当に効果的かな?」と感じている人は、ぜひ自分の学習法をチェックしながら読み進めてください。

この記事を書いた人

竹内智則

竹内 智則

2016年から英語コーチングを開始し、これまで300名以上の方に英語の指導を行っています。
コーチングで使用するための英語学習アプリを制作。「こんな英語教育が欲しかった!」を実現しています。

第二言語習得論とは?

第二言語習得論を分かりやすく解説

第二言語習得理論(Second Language Acquisition, SLA)とは、人が母語(第一言語)以外の言語をどのように習得するのかを研究する学問です。
特に、大人が英語などの第二言語を学ぶときに用いられ、子どもが言語を話せるようになる過程とは別のものとして捉えられています。

この理論は、主に心理学、言語学、認知科学などの分野と結びついており、以下のようなテーマを扱います。

・「インプット」と「アウトプット」のバランスは?

・年齢や環境が習得に与える影響は?

・ネイティブのように話せる人と話せない人の違いは?

例えば、「聞くだけで英語が話せるようになる」といった学習法が本当に効果的なのか? それとも「話す練習が必要なのか?」といった疑問に対して、科学的な根拠をもとに解明しようとするのが第二言語習得理論です。

この理論を知ることで、効率的な学習方法が理解できるだけでなく、「なぜ自分は英語が上達しないのか?」といった悩みの原因を分析するヒントにもなります。
次の章では、具体的な理論の内容を詳しく見ていきましょう!

第二言語習得論の4つの重要な理論

第二言語習得論の内容

インプット仮説:「英語は聞くだけでいい?」

「インプット仮説」は、第二言語習得論の中でも、最も有名な理論の1つです。

1980年代に、スティーブン・クラッシェン (Stephen Krashen) という学者が提唱しました。「言語習得にはインプットが最も大切で、英語を聞いたり読んだりしていれば、言語は自然と身につく」というものです。

その後、インプットだけでは不十分で、アウトプットも重要だということが実証されました。しかし、インプットの重要性は変わりません。
竹内智則

クラッシェンは、インプット仮説の中で、「i + 1」という言葉を使い、「自分が理解できるレベルよりも、ほんの少し難しい内容を聞いたり読んだりしたときに、語学力が最も伸びる」と主張しています。

この理論から分かること

・英語を聞く・読むことがとにかく大切

・自分のレベルよりも、少しだけ難しい教材に取り組むのが重要

アウトプット仮説:「話さないと伸びない?」

クラッシェンのインプット仮説は、「十分なインプットがあれば、言語は自然に習得される」と主張しています。

しかし、カナダの言語学者メリル・スウェイン(Merrill Swain)はこれに反論し、「アウトプット(話す・書く)をしないと、実際に使える英語にはならない」と指摘しました。

アウトプットには以下の役割があると言われています。

・言葉にしようとすることで、自分が理解できていない文法や単語に気づける

・相手の反応を見て、正しい英語かどうかを確認できる

・繰り返し使うことで、言語のルールが定着する。

その後の研究により、「まずは大量のインプットを行い、十分な知識を蓄えた後にアウトプットを増やす」ことが、学習効率が良いことが分かってきました。

この理論から分かること

・アウトプットをすることで英語力は定着する

・現在では、インプットを多めに、アウトプットを少なめにするのがバランスが良いとされている

情意フィルター仮説:「ストレスがあると学習が進まない?」

こちらも、スティーブン・クラッシェンによって唱えられた理論です。

「学習者がリラックスしているときは言語を吸収しやすく、逆に不安や緊張があると習得が妨げられる」というものです。

考えてみれば当たり前ですが、学習者が「もっと聞きたい!」「もっと話したい!」と思えるほど、言語も習得しやすくなります。

「外国の友だちとお酒を飲みながら話すのが、リラックスできて一番上達する」というのは間違いではないのかもしれません。
竹内智則

試験や外国旅行などが決まっていると、どうしても緊張やストレスがかかってしまいます。
ストレスを緩和するには、毎日同じ時間に勉強をするなど、学習をルーティンにすることがポイントです。

この理論から分かること

・興味のあるコンテンツで、楽しみながら学習するのが大切

・学習をルーティンにすると、リラックスできて効率も上がる

言語適性の影響:「語学に才能はあるのか?」

「英語を習得するには、才能が必要なの?」
この疑問について、言語学では「言語適性」という研究がされています。

特定の能力が高いほど、第二言語を習得するスピードが速いことが分かっています。 具体的には、以下の3つの能力が影響するとされています。

・音声認識力(英語の発音を捉える力)

・言語分析力(文法や構造を理解する力)

・記憶力(単語や熟語を覚える力)

「英語は若いほうが有利」と言われる理由

「英語の学習は、若い頃から始めるほうが良い」と言われるのは、音声認識力と記憶力が年齢とともに低下しやすいためです。
特に記憶力は年齢に伴って減衰していきます。そのため、単語学習はできるだけ早く始めるのが理想的です。

ある程度の単語力があれば、高齢でも英語の習得は可能です。
発音や文法を理解する力は十分伸ばすことができるので、諦めるのは早いですよ!
竹内智則

第二言語習得論にもとづいた、効果的な学習方法

第二言語習得論とは

大量のインプットと少量のアウトプット

まずは、自分が行っている学習が「インプット」なのか「アウトプット」なのかを整理してみましょう。

インプット学習の例

・リスニング

・シャドーイング

・単語の暗記

・読書、音読

シャドーイングや音読は声を出していますが、自分の頭で文章を考えているわけではないため、インプットに分類します。
竹内智則

アウトプット学習の例

・オンライン英会話

・英語日記を書く

・AI英会話

インプット8割、アウトプット2割のバランスがカギ!

学習の割合は、「インプット8割、アウトプット2割」が理想的です。
「インプットしたことを記憶に定着させるために、適度にアウトプットを取り入れる」というイメージを持ちましょう。

日本人が英語力に伸び悩む主な原因は、「インプット不足」であるケースが多いと言われています。
「話す練習をしているのに、なかなか上達しない」と感じる場合は、インプットの量を増やしてみましょう。

教材のレベルを常に調整する

英語学習は、「自分が理解できるよりも少しだけ難しい教材」を使うのが最も効果的です。

学習を続けるうちに、理解できる英語の範囲が広がり、今の教材では物足りなくなることもあります。
そのため、ネットでおすすめされている教材にこだわらず、自分のレベルに合った教材を常に探すことが大切です。

教材選びは学習の質を大きく左右する重要な要素です。
そのため弊社のコーチングでも、一人ひとりに最適な教材を慎重に選定し、学習をサポートしています。
竹内智則

シャドーイングの教材選びについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。参考にしてみてください。
関連記事:【サンプル音源あり】シャドーイング - レベル別おすすめ教材19選

アウトプットは環境づくりから始める

日本に住んでいると、英語をアウトプットする機会はあまりありません。
だからこそ、自らアウトプットの環境を作ることが大切です。

「オンライン英会話」「AI英会話」であれば、空いている時間に練習ができておすすめです。

アウトプットはあくまでもインプットの補助です。
そのため、「うまく話せなかった」と感じるのは全く問題ありません。

大切なのは継続することです。焦らず、自分の知っている表現を整理するつもりで、少しずつ取り組んでいきましょう。

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シリコンバレー発のAI英会話アプリ。
Chat GPTが組み込まれており、自然な会話をAIと楽しむことができます。

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まとめ

ここまで、第二言語習得論について解説してきました。
「何となく勉強する」よりも、科学的なアプローチを取り入れることで、英語学習の成功に近づくことを感じていただけたのではないでしょうか?

ここで紹介した内容は、第二言語習得論の中でも一部分です。
英語コーチングでは、この理論を実践に落とし込み、最適な学習プランを提供しています。

より効果的な学習方法や具体的な教材を知りたい方は、ぜひ無料体験を受けてみてください。

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参考文献

・外国語学習の科学: 第二言語習得論とは何か
・英語教師のための第二言語習得論入門 改訂版
Wikipedia「インプット仮説」
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プロフィール

竹内智則

竹内 智則

ぼくらの英語コーチング 代表。
2016年からコーチングを開始し、これまで300名以上の方に英語の指導を行っています。
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